ご挨拶

■共創を通じて、通信の新時代がもたらす豊かでスマートな社会をデザインしたい

通信インフラは、他の社会インフラと比べ、旧世代から新世代への設備更新を頻繁に行う必要があります。データ通信の「高速化」により、年々増加するデータ量を処理するための「大容量化」に加え、ユーザ端末の接続性を改善し利便性を高める無線技術の革新によって、ほぼ10年周期で世代交代が世界的に起きるからです。

日本では、通信キャリア各社がこれまで膨大な時間/労力/資金を投じて、無線基地局を独自構築して全国のエリアカバー競争をしてきました。現在は「5G」普及に向け、「4G」(LTE)からの設備更新が進行中です。しかしながら、更なる高速/大容量化を目指す5Gは、使用する周波帯域の特性により建物の屋内などには電波が届きにくく、4Gに比べて大量の基地局整備が必要となる技術課題があります。

世界的には、シェアリング事業者が構築した基地局設備を複数の通信キャリアで共用する「基地局インフラのシェアリング」がグローバルスタンダードとなっています。機材や配線といった設備重複を無くして資源の無駄を排し、将来の設備更新に備えて必要なスペースも予め確保できます。維持/運用費用に関しては、使用電力も削減でき、環境負荷の低減に貢献できます。通信キャリアにとっては、基地局に関するコストを割り勘できるシェアリングエコノミーによる「共創」効果を享受できることで、新たな場所の基地局構築への投資余力が生まれます。さらに、同じ地域で乱立してきた基地局を最少化でき、町や建物内の美観改善にも貢献できます。社会的にも意義のあるソリューションです。5G普及において、電波が届きにくい多くの屋内施設や駅や全国の地域格差を最少化するためには、基地局シェアリングが日本でも必要されており、政府のデジタル田園都市国家構想においても、基地局シェアリング事業の推進が謳われています。

当社は、新たな調和をもたらす基地局シェアリングを日本で根付かせることで、先進的な通信インフラの早期整備を加速させ、人々が新しい体験をできる新たなサービスや事業の創造に繋げるために創業されました。それによって、便利で豊かなスマートな暮らしが人々の幸福、社会の発展をもたらしてくれると信じています。当社は、共創を通じて、美しい社会をデザインすべく、常に未来を見据えて挑戦して参ります。

Sharing Design株式会社
代表取締役社長
木下 伸